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田口 富嗣; 若井 栄一; 井川 直樹; 野上 修平*; Snead, L. L.*; 長谷川 晃*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1135 - 1140, 2002/12
被引用回数:17 パーセンタイル:71.47(Materials Science, Multidisciplinary)SiC/SiC複合材料は、低放射化であるという特徴により、核融合炉の構造材料の候補材のひとつである。核融合環境下では、SiC中にHeやHという核変換ガス元素が生成する。これらの核変換ガス元素とはじき出し損傷が、SiC複合材料の組織及び形状安定性に及ぼす重畳効果は、1000以上の高温領域では検討されていない。そこで本研究では、化学両論比がほぼ1である先進SiC繊維(2種類:Hi-Nicalon Type S及びTyranno SA)を用いて、熱傾斜化学蒸着浸透法により作製した2種類のSiC/SiC複合材料の組織及び形状安定性に及ぼす、He,H及びSiの3種類のイオンの同時照射の影響を検討した。その結果、どちらの試料のSiCマトリクスでも、Heバブルが形成されていた。一方、SiC繊維では、Hi-Nicalon Type Sでは、Heバブルは形成されていたが、Tyranno SAでは、形成されていなかった。これは、Tyranno SAには、不純物として2wt%のAlが存在しているため、これが、注入されたHeやキャビティーの移動度を低下させたためと考えられる。また、これまでの材料で問題であった、繊維とマトリクスの界面での剥離は、本試料では観察されなかった。これは、先進SiC繊維の照射に対する優れた形状安定性のためである。
實川 資朗; 北條 喜一; 菱沼 章道
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.538 - 541, 1991/00
被引用回数:2 パーセンタイル:31.89(Materials Science, Multidisciplinary)微量なリン及びホウ素を添加した改良ステンレス鋼及びこれに加工熱処理を行なった試料をイオン注入装置付きの100kV電顕に入れ773Kから923Kでミクロ組織変化をイオン注入しながら、連続観察した。イオン照射は10kVのHeイオンを1.810 He/msの照射速度で行なった。試料中のイオン入射表面近傍に微細(10nm)なバブルの形成が観察された。これらのバブルは照射中に成長を続け合体して大きくなった。合体によるバブルの成長はP及びBの添加により抑制された。この抑制効果はPよりBの方が強かった。また。Tiが無い場合には、PやBの効果は小さくなった。時効させると、Ti、P及びBの効果は減少した。以上より、Ti、P及びBの添加はバブルの合体による成長を抑制すること、そして、この効果はたぶんHeクラスタ上へのMCの析出傾向に依存するのであろう。